GTD について、このあたりでちょっとまとめてみます。

今まで書いてきたことと重なる部分もあるかもしれませんが、“とりあえずこの記事を読めば GTD の全体像がさっとわかる” という記事をめざしました。

なぜかというと年末年始なので GTD をはじめる(またはやり直す/さらに進める)にはちょうどよい機会ではないかと思うからです…

…私は英語は得意ではありませんが、GTD TIMES というデビッド・アレンさんのブログの記事にも似たようなことが書かれているような気がします。

内容に関しては、私が実践してみた感想や感覚がはいっていますので、GTD の本に書いてある内容とは厳密には違っている部分などもあるかもしれません。またアウトラインなので、具体的なやりかたなどについては解説していません。

これらの点につきましては、この記事の最後に、関連する記事をご紹介しておきますのでそちらを参照していただくか、年末年始のお休み中に思い切って GTD の本を読んでみるというのも良いかと思います。

GTD とは?

GTD とはなんなのか?

私は “やりたいことを成し遂げていくための実践的な手法” ととらえています。やや曖昧な表現かもしれません。それに、一般的に言われている「ストレスフリーの整理術」といったものとはちょっと違っているように感じるかもしれません。しかし今は、この言いかたがしっくりきています。

なぜか?

それは、ストレスフリーで整理できている状況というのは、自分がやりたいことを成し遂げていくのにピッタリの状況だと感じているからです。何度かこのブログでも書きましたけれども、“やらなくてはいけないこと、かたづけなくてはいけないもの”、に追われていた毎日が、徐々に “やりたいこと” を追いかけることができるようになっていく。

そんな魅力が、GTD にはあると感じています。

GTD はまず、大きく二つに分けることができる

GTD は大きく二つの側面に分けることができます。それは

  • 状況のコントロール
  • 将来への見通し

です。

“状況のコントロール” というのは、文字通り、いま現在の状況をコントロールする方法について、“将来への見通し” というのも文字通り、将来をどのように見通していくか?ということについて考えていく/行動していく、ということになります。

「はじめての GTD」という本では、主に “状況のコントロール” について述べられていましたが、続編の「ひとつ上の GTD」では、それに加えて “将来への見通し” というものがクローズアップされるようになりました。

なぜ “状況のコントロール” だけではなく “将来への見通し” が必要か?

といえばそれはひとつには、“状況のコントロールを安定的に持続させるため” といえると思います。例えばですが “将来への見通しなしに、状況のコントロールのみを行う” という状況が続くとするならば、それはベルトコンベアで運ばれてくる荷物をひたすらに仕分けしつづけるようなもので、自分のペースをつくれませんし、ちょっと疲れてしまうでしょう。

また別の言いかたをすれば、状況のコントロールとはある種の受け身的、受動的な要素が多く、将来への見通しというのは、それとは逆に積極的な要素が多いと言えるかもしれません。いずれにしても重要なのは両者のバランスである、と私は考えています。

状況のコントロール:概要

ここはやや私の勝手な解釈になりますが、状況のコントロールというのは、

  • 「ワークフローマスターモデル」と呼ばれるGTD の5つのステップ
  • 「ナチュラルプランニングモデル」と呼ばれるプロジェクトのプランニング手法
  • 「週次レビュー」と呼ばれる GTD システムを円滑に稼働させるための見直し作業

大きくわけて、これら3つから成り立っています。この3つを活用していくことにより、状況をコントロールしていくということを体験しながら見についていくことでしょう。

ワークフローマスターモデル

ワークフローマスターモデルとは、よく言われている GTD の5つのステップのことです。

  1. 収集
  2. 見極め
  3. 整理
  4. 見直し
  5. 取り組み/行動

あなたの頭の中にある “気になること” を、この5つのステップにしたがって処理/整理していきます。理想的には、このステップを実行することにより、あなたいつもストレスフリーの状態で、次にするべきことは何か?が明確に把握できていられるようになり、この状態で行う作業には高い生産性が発揮される、と言われています。

実際的には、上記のステップを踏むことにより、確かにある種のストレスは解放されていくと思います。

“ある種のストレス” については表現が難しいのですが、例えば「汚くて散らかっている部屋で、かつ、自分がやるべきこともはっきりとはしておらず、当然スケジュールや締め切りもよく分からない、そんな中で働かなければいけないようなストレス」と、いえば良いでしょうか?

このあたりは人によってそれぞれかもしれません。

ナチュラルプランニングモデル

プランニングとは何か?

プランニングとは、あなたにとって “終わらせなければいけないこと” を「どのように終わらせていくべきか?」について考えていくための考えかた、と私はとらえています。

例えば、“年末の部屋の大掃除” が、あなたにとっての “終わらせなければいけないこと” であるならば、「じゃあ、年末まであと一週間あるから、一日30分ずつ、とにかく掃除しよう!」というように考えることをプランニングといいます。

ここはあなたの裁量による自由度が高く、「あと一週間あるから、6日間は遊んじゃおう。最後の一日でまとめてやればいいや」というのもプランニングのひとつといえます。

さてここで GTD では “ナチュラルなプランニングモデル” というものを提唱しています。これは何か?といえば、やはりこれも5つのステップにわかれています。

  1. 目的と価値観を見極める
  2. 結果をイメージする
  3. ブレインストーミングをする
  4. 思考を整理する
  5. 次にとるべき行動を判断する

先ほどの年末の大掃除の件でいえば、まず「なぜそれをしなければいけないのか?それはどれくらい重要なものなのか?」ということを見極めてから、「掃除をしたあとはどんな部屋にしたいのか?」 をイメージし、そのためにできることを書きだしていく。

その後、書きだされたアイデアを整理し、次にとるべき行動を決めて、実行していく…と、こんな感じになります。

一般的にプランニングというと、トップダウンで考えることが多いようです。トップダウンというのは、達成するべきこととその期日(トップ)などを最初に決めて、そこから逆算してやるべきことを割りだしていくというようなやりかたです。

GTD では、その逆の “ボトムアップ” で考えましょう、という特徴があります。今、ご紹介したナチュラルプランニングモデルについても、望む結果はイメージしますが、期日を決めて逆算するというようなことはしません。逆に “次にやるべきことは何なのか?” ということに焦点があてられています。

実際にやってみると、ボトムアップのほうが効率的であることが多いです。トップダウンが有効な場合というのは、やろうとしていることに対しての経験が豊富で、すでに何度も達成していることに限られてくると感じています。

週次レビュー

私の感覚では、GTD というのは繊細なシステムです。例えば先ほどお話したワークフローマスターモデルの5つのステップにしても、どこかひとつのステップがおろそかになると、必ずといって良いほどそのしわ寄せがきます。

GTD の運用にあたっては完璧主義的な態度が必要になると感じていますが、実際にはなかなか難しいです。ですので、できる限り精度を高めていくために “週次レビュー” というものを欠かさず実行していきます。

この週次レビューというのは、先ほどお話したワークフローマスターモデルのステップ4「見直し」を “もう少し大がかなりな感じで” 週に一回、行うというものです。

毎日の「見直し」は数分ですが、週次レビューは数時間かかりますので、正直「メンドクサイ」と感じる方が大半なのかもしれません。しかしとにかく週次レビューは大切です。ここでしっかり GTD システムのメンテンスをしておくことができるかどうかによって、実感される効果がおおきく変わってくると思っています。

もしかしたら、GTD の効果をいまいち感じることができないという場合は、この週次レビューがおろそかになっているのかもしれません。

状況のコントロールとは何か?

以上の3つ、「ワークフローマスターモデル」、「ナチュラルプランニングモデル」、「週次レビュー」、これらを活用していくことによって状況のコントロールをしていこう、というのが GTD の最初のステップです。

結局のところ “状況のコントロール” というのは、“今、できることをやること” に他ならないと考えています。

しかしポイントとなるのは、“じゃあ、何をどれだけ、そしてどれからどうやってやっていくべきか?” という点で、ここをバシッと決めていけるようになると、快感を感じるというか、快適さの中で生活できるようになるというか。

GTD には、そんな病みつきになりそうな魅力があります。

将来への見通し

忙しくて複雑な毎日を過ごしている人にとって、状況をコントロールするというのは、迫りくる敵キャラをバッサバッサと切り倒していくような快感があります。

しかしその場にとどまっているだけでは、残念ながらボスキャラにはたどり着けません。やっぱりボスキャラというのは、お城のてっぺんとか洞窟の奥深くにいて、あなたがやって来るのを待っているのです。

そこで必要になるのが “将来への見通し” です。

大雑把にいって、 “ボスキャラ” というのは “あなたがやりたいこと、成し遂げたいこと” であり、“将来への見通し” とはボスキャラの元へたどり着くための “地図” です。

その地図は、6段階の高度から見渡せるようになっています。

  • 高度0メートル 次にとるべき行動(済んでいない具体的な行動のリスト)
  • 高度1000メートル プロジェクト(終えなければいけないことは何か?)
  • 高度2000メートル 責任を負っている分野・興味のある分野(維持しなくてはいけないことは何か?)
  • 高度3000メートル 目標・ゴール(何を達成したいか?)
  • 高度4000メートル 構想(長期的な成功のイメージ)
  • 高度5000メートル 目的/価値観(自分の存在意義は何か?自分はどのような状態にあるか?)

これらをひとつひとつ明確にしていきます。それにより、例えば高度0メートルの行動と高度5000メートルの “目的/価値観” との関連性やその意味をつかめるようになります。

将来の見通しがクリアになれば、現在の行動やそれに伴う選択や決断も自信をもって行えるようになるのではないでしょうか?また、言い過ぎかもしれませんが、一歩ずつですが、自分がやりたいこと、成し遂げたいことへと歩んでいけている、という実感もあります。

“状況のコントロール” と “将来への見通し” というのは、互いに関連しあっていて、双方のバランスが大切と感じます。状況のコントロールだけでは将来へ向かって歩んでいくことは難しいでしょう。また将来への見通しだけでは、地に足のつかない状態になってしまうと思います。

ツールはなんでも良い

最後に、実際に GTD を実践するためのツールについて少しお話しようと思います。

有名なものでは OmniFocus があります。とても高機能です。またショートカットキーが充実しているので、慣れるとキー操作だけでも充分に使いこなせるようになり便利です。ソフト(アプリ)としての完成度は高いと思います。

私がいま使っているのは Evernote です。この間、Evernote 5 for mac がリリースされました。Evernote は GTD ツールではありませんが、そういった部分を差し引いても、ソフト(アプリ)としての完成度は OmniFocus には及ばないと感じます。しかしメモが取りやすいというのと、ちょっと使いにくくて機能があまりない分、逆に実際の紙のメモを扱っているかのように感じられるところが良い点です。

GTD のためのソフト(アプリ)というのは、他にも検索すればたくさんあると思います。しかし私は、とくに最初のうちは紙のメモ帳ではじめることをおすすめします。

なぜなら多くの GTD ツールというのは機能が豊富すぎるからです。例えば OmniFocus で GTD をはじめようと考えたら…

  1. GTD を学び、身につける
  2. OmniFocus の使いかたを学び、身につける

…この二つを同時にやらなくてはいけないはめになり、とても大変です。GTD ツールの使いかたを覚えることと、GTD そのものを学ぶことは、似ているようで実はぜんぜん違うので、間違った覚えかたをしてしまう可能性もあります。

ですので、RHODIA のような切り離せるメモ帳を使って紙でやっていく、というのが最初は良いと思います。実は私もいきなり OmniFocus からはじめちゃいましたが、それをやめて、あとで紙でやり直したときこそ、GTD に対する理解が深まったと感じています。

まとめ

長々と書いてきましたが、以上になります。とりあえず GTD ってなんなの?という外側の部分をさらっとつかめるようなまとめ記事を書きたかったので書いてみました。

さらなる具体的な内容については、下記の関連する記事や参考書籍を読んでみてくださいね。

では良いお年を!

関連記事

以下にこのブログの関連記事をご紹介しておきます。

状況のコントロールについて

ワークフローマスターモデル(5つのステップ)については自分自身のまとめも兼ねて、あれこれ書いています。

ナチュラルプランニングモデルについては下記の記事が参考になるかも。

週次レビューについては、実はあんまり書いていないのですが、とりあえず。

将来への見通し

その他の関連記事

その他に、Evernote で GTD を実践する方法についても書いています。まだ途中ですが、よろしければ参考程度にどうぞ。

参考書籍

いつものとおり、GTD 本をご紹介しておきます。

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