お金がなくなることの恐怖については、私は、しばらくの間、それにとらわれていたように思います。

不思議なことに、養うべき家族が増え、責任がおもくなってからのほうが、その恐怖から解放されたようにも感じていますが、しかしそれは、私の事業が軌道にのってきたということとは関係なくーーむしろ、事業の方向転換をはかり無収入に近い状態になったこともありますーー責任のある状況のなかで、お金のあつかいかたのようなものを、自分なりに学び、身につけた、ということなのでしょう。

私は若い頃、自由にあこがれていました。

いまから思うとちょっと恥ずかしいのですが、そのために、お金はもちろんのこと、地位や名誉、コネなど何もない、いわゆる裸一貫の状態からいつでもやり直せるようになろう、というスタンスで人生を送ってきました。

「なにかにしがみつかずに生きていけるのならば、自由になれるだろう」と考えていたのです。

それで得たものは、おそらく一般的な成功というものとはちがった性質のものであったろうと思いますが、私の心の中の平穏さや解放感というものは、とても大切であり、これはぜひ誰かに伝えてたいと感じます。

 結局、お金というのは、欲しい物を得るための「交換手段」です。場所もそれほど取らず、長時間保管しておいても腐らない、とても便利なもの。でもあくまで「交換手段」ですから、お金だけをどれだけたくさん持っていても仕方がありません。使ってこそ価値が出る。それがお金だとも言えます。

知らないと損する 池上彰のお金の学校 (朝日新聞出版 2011)

お金のためにはたらくことは悪いことではありません。しかしなんのために稼ぎ、なんのために使うのか? という目的がはっきりしていなければ、おそらくそれに対する恐怖を克服することは、難しいのではないのでしょうか?

そしてそれは、全体としてどのように生きるのか? ということと深く関係していると、私は思います。

更新情報をメールでお知らせします。

このブログの更新情報を無料でメールでお知らせします。こちらのブログの購読ページから登録してください。